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3月の吹雪

3月13日
大大阪”誕生80年記念 モダニズム心斎橋 展

きょうの着物:「着るまで死ねない」お召し。古着屋で5800円。
       縞繻子地に山繭糸で唐草の織り出し。袖丈1尺8寸。
       いくら何でも長いぞ。
きょうの帯:群青色地に金の笹とでっかい鳥の織り名古屋帯。オークション品、
      値段が思い出せないが3000円くらいだったか。
きょうの羽織:黒地紋縮緬地に白・ピンクの毛槍のような、何だかわからない柄。
       いったん「台風の目」と名付けられたが、その直後
       本当に台風が着てエライ目にあったので「毛槍の羽織」と改名。
       古着屋で8500円。袖丈1尺8寸。
きょうの長襦袢:赤地に鶴群舞。古着屋で5800円。袖丈2尺を折り曲げて着る。
        裏の紅絹からお腰に色落ちした。
きょうの半衿:生成地に矢羽根の織り模様に金糸。いただき物の長襦袢に
       付いていたのをきれいに洗った。
きょうの帯揚げ:マリーゴールド無地縮緬、1900円。
きょうの帯締め:わさび色と芥子色のリバーシブル、今日はわさび色面を。
        いただき物。
きょうの足袋:自作塗り塗り足袋。
きょうの履物:黒漆に手毬の塗り、船底台に黄色桜刺繍鼻緒。
きょうのバッグ:ゴブランパッチワーク手提げ。母が通販で買ったものの、
        予想以上に大きかったのでくれた物。
きょうの防寒対策:茶シュニール糸のストール、腕カバー、
         足袋の下に絹五本指靴下、絹のパッチ、メリヤスのお腰、
         あったか半袖シャツ。
きょうの髪型:片側一本三つ編み。
※どうしても行かねばならぬと思っていた展覧会の会期終了迫り、今日を逃すともうチャンスがないかもしれないと、必死で出かける用意をする。と、窓の外には雪が。それも吹雪いている。もうダメか、とあきらめかけた頃、雪雲が切れ、晴れ間が出た瞬間に飛び出す。が、お金を持って出るのを忘れ取りに帰りタイムロス。もう二週間ほどお出かけしていないので、何を持って出たらいいのかすら忘れてしまっていたようだ。
※会場は元「出光美術館」だったところ。およそ10年ぶりだ。入り口はわかりにくいし、案内板は不十分だし、来て欲しくないのか?と思うほどの不親切さだ。
※会場は空いているが、昔の心斎橋界隈について、ひと言言いたいお客が多く、展示物の前で講釈しているので、なかなか見られないものも多かった。あれこれ、思い出を語りたくなる魅力が、昔の心斎橋にはあったのだろうと思う。「柳屋」という文具屋の商品は今でも欲しいと思うし、「丹平ソーダファウンテン」や「明治製菓売店」にも、今あったら行きたい。そして、ぜひぜひ行ってみたかったのが「赤大丸」。これは、呉服屋「小大丸」の姉妹店で、セルなど普段着系専門だったらしい。「赤」は「赤札」の赤かもしれぬ。久留米屋はその名の通り久留米絣専門店。
※コピーをとりたい!と熱望したのは、高島屋の大正末期の「今年の流行」が書かれた広報紙の一頁で、梅の花も散り、と書き始められているところから、ちょうど今の時期だということがわかった。コートや羽織で隠れていた帯が、これからは重要になりますよ、という宣伝文なのだが、メイン商品は(この当時のトレンドは)片側帯(腹合わせ帯を片側ずつ選んで組み合わせる)だが、その裏表の調和が大事、また、きものとの調和も大事、通のお客様は、合わせるつもりのきものを持参してお選びになります、と書いてあった。
※今、こういうコメントが欲しいのだ。売る気があるのだったら、消費者がいい買い物ができるアドバイスを発信して欲しいのだ。「これならパーティーに」「これならお正月に」という勧め方ではなく、まずは消費者が持っているものに合うかどうか、それを見極めるためには、やはり実物を持ってもう一度お越しください、くらいの慎重さと親切さが欲しい。

※もちろん、消費者もあらかじめこれくらいのことは心得るべきだが、着物が日常着であったこの時代にさえ、賢いお買い物の仕方のアドバイスを広報紙に掲載しているのだから、知識がなくなった今こそ、実用的な情報を広めてもらいたいものだ。
※心斎橋は、私にとって夢の場所だった。「よそいきの町」だった。今では見る影もないが。そんな思いの人が、多いのだろうと、このところのモダニズム展ばやりから推察する。「よそいきの町」がもうなくなってしまった今、高価なブランドの洋服や鞄を装着して、人々はいったいどこに出没しているのだろう。私が貧乏で知らないだけなのだろうか。
※美術館をあとにして、心斎橋大丸へ。外は吹雪だ。
※大丸心斎橋店は先日リニューアルオープンして、折り込みチラシが入っていたのだが、呉服売り場の目玉は「オーダー浴衣」だった。反物を選んで、自分サイズに仕立てるのって、当たり前だったのに、吊しで(今はプレタというのだろうが)売られるのが多くなったら、わざわざ「オーダー浴衣」というネーミングになるのだな、とがっかりしたのだった。ま、それでも誂える方が増えたら、それはそれでいいのだが。
※たまたま、生け花展の券を出品者の方から送っていただいていたので、門外漢ながら鑑賞させていただく。会場は花の香りと女性たちでいっぱい。複数の流派が出品しているので、各派の傾向がよくわかる。舞台装置系、床の間系、ウィンドウディスプレイ系、イングリッシュガーデン系など、一口に生け花といっても、表現は様々であることはよくわかった。

※高級ブランドの集められたフロアをぐるっと回る。何一つ欲しいものがない。ところが、一階のバッグ売り場で「ロバの写真をプリントしたバッグ」発見。一部の人はご存じだが、我が家は「ロバ・コレクター」である。アニヤ・ハインドマーチ;というブランドのもので、4万円以上して仰天。盗難防止の鎖で固定してあるのにあとで気づいた。次に、ブランド名は忘れてしまったが、持ち手が綿のスカーフになっていて、お気に入りのスカーフに取り替えれば、自分オリジナルのバッグになるものを発見、見せてもらうが13万!!!わはははは。洋服系のものは、欲しいと思うととっても高い。買えるものの中には欲しいものはない。それで余計に洋服系のものから離れていってしまう。説明だけしてもらって、離れる。その後芝翫香のウィンドウで「風神」のバッグ6万円を見る。ナイロンに写真プリント4万円に比べ、こっちの方が値打ちあるなと思う、買えないけど。
※ものすごく久しぶりにお出かけしたので、日記が異常に長くなってしまった。が、最後に「着るまで死ねない」着物について。古着屋にふらっと入ったら、お店のご主人が「これいらんか」と見せてくださった瞬間、「欲しい!」と値段も聞かず寸法も確認せず即決したもので、もう、これで袷長着は買わないでいいや、打ち止めだ、と思わせてくれたもの。身幅やや狭く、袖丈が長いので、ゆくゆくは仕立て直してずっと着たい。これでとにかく一回は着て出かけられたので、思い残すことは一つ減った。
※もうひとつ、「毛槍の羽織」について。これに「台風の目」と名付けてエライ目にあって改名したが、今日は今日で「吹雪」。なんか、嵐を呼ぶ羽織なのかもしれない。
タグ:御召 展覧会
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