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探偵小説は風俗資料

【4月1日】戦前の風俗
きのうの読書:「シュピオ」傑作選―幻の探偵雑誌〈3〉 光文社文庫
※昨日の会議に持っていく本を探していて、読まないまま積んであった上記の本を発見、電車の中で読む。長編「白日鬼」は昭和11~12年頃の東京の様子がわかる。デパートの屋上にアドバルーン、銀座裏の喫茶店、4階建てオフィスビルにはエレベーター、焦土となる前の輝きだ。戦前および戦後すぐくらいの探偵小説には、当時の風俗が読み取れるものが多く、事件のトリックよりも、着ているものや町の様子を楽しみに読んでいる。
※もう一編、「柿の木」という掌編が心に残った。探偵小説、というジャンルではくくれないような、ずっと心に引っかかるようなものだ。魔法つかいの夏と共通するような残り方。悲しいようなせつないような怖いような。
※あんまり一所懸命読んでいて、降りた駅で乗り越し運賃精算機によその電鉄会社のカードをつっこみ、パニック。そういうときに限って後ろに列ができている。焦って「スルッと関西」をつっこみ直すが、残り0円。余計にパニックに陥る。頭の中はすっかり戦前にいるので、現代にすぐに戻れないみたいだ。
※本は時空をワープさせてくれる不思議な道具だ。ああ、いっぱい読まなければならないものがあるのに、一生はなんと短いことだろう。
※ああ、いっぱい着なくちゃならないものがあるのに、一生はなんと短いものだろう。
※ああ、いっぱい直さなくちゃならないものがあるのに、一生はなんと短く、可処分所得には限りがあるのだろう。
タグ: 資料

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