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三越最後の日

5月5日】さようなら、三越。
きょうの着物:こどもの日→いらかの波→屋根→瓦、という連想で、
       瓦の縫い取り単衣小紋。オークション品・6750円くらいだったか。
きょうの帯:鯉のぼりからの連想で鯉の帯。繻子と紗のコンビで、
      鯉が同色糸で織り出され、周囲に白いもみじの刺繍。
      オークション品2900円を解き洗い・裏打ち・仕立て直しに
      14205円かかったので、とっても高くついたな。
きょうの半衿:オレンジ色系に白で染め疋田・パレス縮緬のハギレ。
       古着屋7800円の小紋を解き洗い・羽裏に転用された残り。
きょうの長襦袢:朝顔絽。古着屋で9800円。
きょうの帯揚げ:薄紫と薄黄色のぼかし綸子・1000円。
きょうの帯締:白と薄黄色の三分紐。竹の節の柄。いただき物だったっけ?
きょうの帯留:柘植の鯉。伊勢丹の催し物会場で5250円。
きょうのバッグ:緑デニム地とフラワープリントのコンビにビーズ刺繍。
        戎橋で3900円。三越の呉服売り場の店長さんが妙に
        誉めてくれたもの。今日もショール売り場の店員さんが
        誉めてくれた。三越好みなのかしらん。3900円なのに。
きょうの履物:黒漆神戸下駄、鼻緒はおもちゃ柄。こどもの日なので。
きょうの足袋:レース足袋・裏地薄紫。
きょうの暑さ対策:ステテコ。渦巻柄扇子・いただき物。

※ついに三越最後の日がやってきた。大混雑で、とても中には入れないだろうと思ったので、外から最後の日の様子を見守ろうと出かけた。三越にあんなに人が入っているのを見たのは初めてだ。入れないかなと思いつつも、法事用の商品券を購入、その後空いている売り場だけを見る。
※「パラソル3150円より」などのコーナーはものすごい人だかりで近寄れない。その横にエアポケットのように「カシミール製刺繍ショール」売り場があり、なぜか誰も近寄らない。以前から一つ、いいのが欲しいなと思っていたので見せてもらう。基本的に洋服用なので、刺繍が裾の方にあるのが多く、着物のときはやはり背中にいい柄が来た方がいいなどとあれこれ注文をつけつつ、高いのは買えませんと最初から断って、結局定価42000円の半額21000円のを2回払いで買う。

※北浜の三越というのは、いつか可処分所得が増えたらお買い物に来るからね、というアテのない約束をするような、目指すところであったので、これまで本当にほとんどお買い物することなく来てしまった。大学生の頃から今まで、思い出せるくらいだ。最後なので、何か記念になるような、長く使える上等なものを買っておきたかった。
※大学生の頃:三越劇場で何度も映画を見た。「ノスタルジア」「去年マリエンバードで」「二十四時間の情事」など。内装がゴージャスで、とってもいい気持ちにしてもらった。ウールの楊柳のワンピースと綿のエスカルゴスカートを買った。いずれも値下げしたものだった。大食堂で何度か食事をとった(当時、一人で「百貨店の大食堂めぐり」をしていた)。食券売り場のおばさまも鷹揚で優しい感じだった。お安い値段でリッチな気分でお食事させてもらった。二週間に一回、日曜ごとの習い事がたまたま高麗橋だったのと、短期バイトで大阪市役所に出入りしていたので立ち寄るようになったのだが、対象年齢層も値段も高く買うものがなくて、あとはパンやお菓子などの食品くらいしか買っていない。習い事の帰りにコロンバンかなんかの喫茶室によく行った。観葉植物がびっしりの、サンルームのようなところだった。
※社会人:南森町で働いていたので隣の駅だったが、超貧乏だったので見るだけ。
※震災前:兵庫県民になったので、ほとんど行かず。
※震災後:大学院生になって三越の筋向かいの「貨幣資料館(当時の大和銀行所有)」にゼミで見学に行ったとき、たまたま消防車が三越に向かって走っていたことを覚えている。ぼやがあったらしい。
※着物を着るようになったのが前世紀末、呉服関係の展覧会などがあったら行くようになったが、ほんとうに、ほとんどお金を使っていない。結婚祝いのフリーチョイスギフトとローラ・アシュレイのバッグを3割引で買ったのと、カレーの缶詰くらいか。
※いつかは三越、と思っているうちに三越がなくなってしまった。心斎橋の和光も戎橋の河幸も同じパターン。残念だな、寂しいな。
※いつまでもあると思うな、親と名店、というところか。

きょうのハプニング:三越の筋向かいのイタリア料理店の什器備品大放出。
※お店で使っていた椅子や食器を格安で販売しているのに出くわす。ロイヤルコペンハーゲンのお皿、小500円、中800円。2枚ずつ買うことにする。不思議なことなのだが、結婚祝いに同社のお皿とカップをもらって愛用していたのだが地震で割れて、またいつか買えればいいなと思っていた。今朝、たまたま贈って下さった方と5年ぶりくらいに電話でお話ししたばかりで、これは何かの因縁かと感じたのだ。
※さらなる因縁(これはこじつけっぽい)。きょうの長襦袢は朝顔柄だったのだが、朝顔の柄のお皿を発見、6枚で8000円という。裏を見たらジノリだった。即決。
※さらに蓋がないのでお買い上げの方に差し上げますコーナーで、ロイヤルコペンハーゲンのシュガーポット本体のみ、ただでもらう。実は灰皿にちょうどいいと思ったのだ。
※合計10600円だったのだが、おつりの用意がないということで1万円ポッキリ。投げ売りなので、その場においてある古新聞と紐で自分で梱包する。持参の風呂敷でくるむが、こんなものを持ってうろうろできない。コンビニを発見し「南アルプス天然水」の段ボール箱をもらって宅急便で送る。梱包の最中に、同じ店で椅子を買った奥様が4脚持ち込んできた。ヨーロッパ輸入家具が中古とはいえ一脚たった5000円だ、多少の肉体労働はいとわない気になるものだ。
※川沿いを歩いて東洋陶磁器美術館に出ると「ロイヤル・コペンハーゲン展」開催中。なんだろう、この符合は。
※実は今日の外出のもうひとつの目的は、先日話し込んで買えなかった祖供養の品を買うことだったので、高島屋に向かう。これで今日「越後屋呉服店」と「飯田呉服店」をハシゴしたことになる。

※いやそれにしても三越店内はものすごい熱気で暑かった。単衣でももうダメ。寂しいなあと思って涙がにじんだり、汗だらだら流れたり、もう水気出しっぱなしだった。本当に残念だ、寂しい。
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