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遊びすぎ打ち止め・優雅ということ

5月31日】松任谷由実コンサート@フェスティバルホール
きょうの着物:アイボリー地食虫植物系唐花縫い取りお召し単衣・いただき物
きょうの帯:オレンジ系更紗系八寸名古屋帯・貸衣裳処分市で7000円。
きょうの帯揚げ:青の絽。1000円。帯と着物の中の一色。
きょうの帯締め:白三分紐・いただき物。
きょうの帯留め:象牙に輪島塗で罌粟。象牙屋さんのお嬢様から
       廉価で譲っていただいたが、私の持ち物の中では
       かなり高級なもの。
きょうの足袋:自作塗り塗り足袋。
きょうの履物:コルク表船底台に赤黄黒の鼻緒。
きょうのバッグ:水色系ゴブラン半円バッグ・5000円。
きょうの長襦袢:「もうあとがない」麻襦袢。家にあったもの。
きょうの半衿:つけっぱなしのブルーストレッチレース。いただき物。

※今日も今日とて、2枚申し込んだのに1枚しか入手できず、他人様にお譲りできなかったコンサート。旅行に行くつもりがなかったので、今月は観劇やコンサートで楽しもうと、いつになくたくさん、チケットを買っていてしまったのだった。
※松任谷由実のコンサートは、実に25年ぶりである。まさかと思って数え直してみたが、やっぱり25年ぶり。時のたつのはなんと早いことか・・・。
※用事がたまっていて、出かけるのがギリギリになり、夕食を食べ損ねるのでコンビニでおむすびでも、と思ったら売り切れ、仕方なくフェスティバルホール地下の喫茶店に入る。ところが同コンサートの客で店は大わらわ、テーブルを片付ける間もないようで、なかなか座れない。窓際の席をようやく片付けてもらって落ち着くが、オーダーもなかなか来ない。暇なので、向かいの店を見るともなく見る。輸入雑貨洋品店、という今では少し懐かしく感じるようなテナントで、70才は過ぎているマダムがいる。そのガラスケースの上のバッグが、遠目によく見えて、気になる。お食事を大急ぎですませて、バッグを見に行く。

※しつこいようだが、今月はお金を使いすぎていて、財布にはあまりお金が入っていない。なのに、気に入ったバッグを見つけてしまう。現在の所持金では払えない。とはいえ4桁だ。いかに手元不如意なのか・・・。うーん、カード使えませんよね?と唸っていると、2千円でも内金いれてくれたら、そのままお持ち帰り下さい、残りはいつでもいいですよ、とおっしゃる。まあ、なんと今どき珍しい鷹揚なご商売なのか。そんなことおっしゃっていただいたら、私、払いに来なくなっちゃうかもしれないから、かえって困るかも・・・とウニャウニャ言っていたが、どうぞご遠慮なく、とおっしゃるので残金2000円の状態までお支払いして持って帰らせてもらった。財布の中は1000円札1枚しか、もうない。
※コンサート開始時刻が迫っていたので、大あわてで会場に向かい、ゆっくり見られなかったのは残念だったが、これ以上散財しなくてよかったとも言える。
※コンサート開始。女性客が多い。しかも若い子は少ない。みんな10代の頃から、松任谷由実とともに年を重ねてきた人たちなんだな。二階席の後ろの方だったので、どうも一階席の盛り上がりと温度差がある。やっぱり一体感は一階席の方が味わえるな。二階席は勾配がきつく、さらに通路側の席だったので、うっかりすると足を踏み外して落っこちそうで危険でもある。
※新しいアルバムの中の曲から始まるが、家にアルバムはあるものの、予習が不完全で波に乗り損ねる。しかし今回のアルバムは、やや昔に近い感じで仕上げてあるので馴染みやすく、違和感はない。松任谷さんはいまだにお洒落でキュートで前のコンサートから25年たったとは思えない。
※ピアノの弾き語りでアルバム「ひこうき雲」の中から2曲、これでようやく私の時代になり、やんややんやの喝采を送るが、隣の二人組は若く、知らないみたいだ。ちゃんと予習して来いよ、と自分のことを棚に上げて思う(←自分勝手)。
※認めたくはなかったし、自分でもいやになっちゃうのだが、私の体の中に、もうある時期までのユーミン曲がすべて染みこんでおり、イントロで血が騒ぎ、アレンジのドラムスだとかギターだとかベースラインだとかコーラスまで、全部わかってしまい、好きとか嫌いとか以前に体が反応してしまう。

※こういうの、たとえば私より一世代前の人にとってのビートルズだったり、もう少し前の世代にとっての「美空ひばり」的なものだったりするのじゃないか。
※ステージは楽しく美しく、そしてシアワセに進行し、私はこんなに長い間、この人の曲とともに生きてきたのだなと再認識する。本当いうと、忘れかけていたのだ。ある時期「恋愛の女王」とか「今のテーマは純愛です」とか、曲調やアレンジもなじめなくなってしまった時期があって、もう縁が切れるのかな、と感じていたこともあった。
※MCで「レコーディングでカンヅメになっても、スタジオに行くときにはお洒落を忘れずに行った」とのこと。わざわざこういうことを言ったのは、観客があまりお洒落じゃなかったからなのかな?と深読みしてしまった。というのも「楽だからパンツ」風着用率が高く(別にスカートさえはいていればお洒落というのではないが)、もう30年近くユーミン世界に触れてきた人々にしては、お洒落魂が感じられなかったのだ。
※なにもユーミン風ボルサリーノをかぶってこいとか、ジバンシイ風スーツを着てこいとかハイヒールで来いとかいうのではなく(それではコスプレだ)、その人なりの「こぎれいにしてしてきました」意欲、優雅さが感じられなかったのだ。
※そうなのだ、今日のキーワードは「優雅」。バッグを買ったお店のマダムも、ユーミンも「優雅」だったのだ。エレガント、というカタカナではなく、漢字だ。おそらく、マダムは私が鞄好きで、自分の仕入れたものを気に入って購入しようという気持ちがわかって、嬉しかったからあんな無謀な(悪い人ならお金を踏み倒すだろう)売り方をしてくれたのだろうし、ユーミンもコンサートが好きで、だから精一杯のお洒落な演出をするし、それに見合う体型/体力維持もし、努力している。ユーミンが好きな人は、それに見合ったお洒落をしてきてもらいたい。好きなものに対するときに、それなりの努力というか意欲というか、なんかそのあたりのことが手抜きになっている感じがしたのだ。お金を払って来てやってる、という意識が有れば「客が何着てこようが文句を言うな」という態度になるだろう。けれど、どうもこのコンサートは「30年近くも夢を見させてくれた魔法使い詣で」的な意味があり、単にサービスを金銭で買うというのとは違うと思うのだ。

※「雨の町を」の歌詞、「庭に咲いてるコスモスに口づけをして/垣根の木戸の鍵を開け表に出たら」のフレーズだけでも、私の場合「「庭でなく前栽(右横はお手洗い・手水鉢と石灯籠)、咲いているのは沈丁花か椿(一番大きいのは槙の木)、垣根じゃなくて土塀の木戸を開けたら裏長屋」だったが、曲を聴いているときにはコスモスの庭からちゃんと表に出られる像が浮かび、すっかり歌の中の人になれた。
※車がサニーで阪神高速を走っていても、「埠頭を渡る風」を流せばすっかりオープンカーで中央フリーウェイである。彼女の曲のチカラはすごい。
※・・・というような魔法を、わざわざコンサートに来る人って、かけてもらってきたのじゃなかったのか?私だけだったのか・・・。
※仕事帰りの人も多いと思うけれど、女性雑誌で過去30年以上やってきた「on/off」「アフターファイブのお洒落」等々の記事はいったい何だったのか。同じスーツでもアクセサリを替えてオフタイム仕様に、とか、靴やバッグだけでもロッカーにおいて替えようとか、さんざん書かれてきたように思うのだが、最近ではそういう記事すらないのだろうか。それ以前に、仕事着としても力が入っていないいわゆるカジュアルウエアにしか見えないので、お洒落魂が感じられなかったようだ。ちょっと替えてみる、そういうところに「優雅さ」があるんじゃなかろうか。

※といいつつも、私も今日の着物が「チカラの入った」ものではなかったと認めざるを得ない。なんせ用事に追われて、考える暇もなかったので、季節的に違和感なく、取り出しやすいものを組み合わせただけだった。結果的に「インテリアショップの見本帳」になってしまった。というのも唐花の着物は壁紙やカーテンみたいだし、帯はカーペットみたいだ。オマケに履物はコルクで床材だ。私はカーテン屋の娘だった頃、その二階でユーミンを聴いていたから、ある意味「30年近くもありがとう」という表現になったのかもしれないが。こじつければそういうことになる。
※次のカラオケマラソンは「ひこうき雲」から「REINCARNATION」までの全曲をアルバム順で歌うぞ。問題はシングルのみの「あの日にかえりたい」をどこで入れるかだが。まさかと思いますが大阪近辺で、「ユーミンカラオケ大全」におつきあい下さる勇気のある方いらっしゃいましたらお知らせ下さい。4時間は使うと思います。
タグ:単衣 音楽 御召
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