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オマケしてもらって、縫ってもらって。~四谷シモンと座敷牢

【8月1日】クリーニング屋さん~和裁教室@上本町
きょうの依頼品:1,昨日袖丈つめした白絽しだれ柳と百合小紋、
        2,最近袖丈つめしたいただき物の破れ麻の葉柄麻単衣。
        3,最近袖丈つめした薄お召し・オークション品、8050円。

※暑さに耐えかねて、そのうち着物着用休止宣言を出すだろうと思うので、今この時期に手入れをしても、着用は来年になるかもしれないのだが、今のうちにきれいにしておけば、ひょっとしたら8月もがんばって着るかもしれないとかすかな望みをかけてクリーニング屋さんで丸洗いに出す。1枚だけ2100円にオマケしてもらって、あとの2枚は各2625円、3枚で7350円。

※その足で和裁教室へ。

きょうの課題:青繻子チャイナドレスのような雨コートの丈つめ。

※裾を解いたきり放置していたものにようやく着手。なんか、結構ややこしくて、9割近くを先生が縫ってくださって、私は待ち針・鋏・チャコなどを手渡し、針に糸を通したくらい。コートの裾の丸みは、それ専用の型紙があって、クロバーの袖丸用型紙3枚セットにはそれが入っていない。生徒さんの持ち物を借りて、厚紙に写し切る。これまた先生がやって下さって、私は口をあいて見ていただけだ。暑くて、出席している生徒さんが少なかったせいもあるが。

きょうの成果:4割くらいできたかな。

※教室の皆様に親切にしていただいて、着物はいただくわ、ほとんど縫ってくださるわ、申し訳ない気持ちになる。クリーニング屋さんもオマケしてくださるし、ありがたや。恩返しはちょっとでも上手になることと、着続けることだろうなあ。

※帰宅後。
きょうの本:人形作家 講談社現代新書 四谷シモン

※2002年に出ていた本なのに全然ノーマークで今頃になって購入。たぶん新装丁のカバーをかけ直して再出荷されたんじゃないだろうか。

※1968年頃、状況劇場の女形となり、1971年に一度芝居から離れ、次に舞台に立ったのは1984年。この舞台をたぶん私は見ていたのだ。座敷牢に閉じこめられたお姉さんの役の四谷シモンに絶叫した記憶がある(声援を送ったという意味です)。

※戦前の着物を着始めたとき、自らの出で立ちを「座敷牢」と表現したのは、このときの記憶があったためである。この用語はすっかり定着して、「現代着物用語の基礎知識」があったなら、基本タームとして掲載されていそうな浸透ぶりだ。

※この本を読んで、またいろんなことがつながった。金井美恵子(このひとは全然違う脈絡から四谷シモンとつながったのだが、修士論文で「愛あるかぎり」という短編をテキストに使わせてもらった)(今は金井美恵子全短篇〈1〉に収録)・金子國義(アメリカに行くとき、誰も日本語がわからないところに行くのをいいことにエロ小説ばかり持っていった中の一冊で、その後、学部3回生の「欲望ゼミ」(シンボーの大学ノートで南伸坊に取り上げられました)でテキストとなったマダム・エドワルダ―バタイユ作品集 角川文庫クラシックスの当時の角川文庫版の装画は金子画伯だった)・澁澤龍彦あたりの名前が出てくるのは当然として、先だって読んだ内藤ルネの話と重なる部分、さらに「新宿ACB」→平尾昌晃→ロカビリー→佐々木功(「科学忍者隊ガッチャマンG2号コンドルのジョーの声の主)。

(続き)
※そしてなにより、堤清二が重要だったのだ、と今になって気がついた。彼が唐十郎の芝居のファンであったというだけの理由で、状況劇場のパンフレットなどに西武百貨店の広告を出してくれていて、劇団の収入源になっていたということが書かれていて、ああ、そうだ、私も西武百貨店系には長らくお世話になっていたのだと、これまた今になって気がついた。

ビックリハウスという雑誌は1975年の創刊二号から終刊号まで読んだが、私の「バカバカしいことを一生懸命やる」体質は、この頃培われたのである。渋谷のタウン誌だったこの雑誌が、なぜか場末の我が町の近所の本屋に「SMスナイパー」「薔薇族」に混じって並んでいたのだ。この雑誌が長く存続できたのは、やはり西武百貨店の資本があったおかげかもしれないが、堤清二氏が文人で、アングラ芝居が好き、そういう文化とか娯楽とか、そういうものに、お金を使える立場を正しく活用してくれたのだと今では思う。企業の利益のために土地を買う、投機をする、会社のお金で愛人を囲う、などお金の使い方は色々あるが、言い方はひどいかもしれないが「会社のお金で若者を囲ってくれた」あるいは「大まじめな悪ふざけ」を支援してくれたのだと思う。辻井高の著作は見事に読んでいないので、これから読んでみようという気になった。ある意味、私の恩人でもあったのに、全然気がついていなかった・・・・。
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