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思索の道は遠かった~ちょっと工夫でこのウマさ

【10月15日】
きょうの氷解:「帰り道は遠かった」

※長~い間、ずっと探していた曲があって、昨日の日記(本当は14日だったのに日付間違えてました)で、そうか、検索したらいいんだ、と今さらながら気づいて、調べてみたら一発で疑問氷解。チコとビーグルスというグループの昭和43年の曲だった。確かこの曲は一回きりしか聴いたことがなかったのに、ほとんどすべての歌詞を37年間覚えていたのには、我ながら驚きだ。

こんな歌詞:「帰り道は遠かった/行ったときよりも遠かった/風が吹いてたの/雨が降ってたの/私の心の中にだけ/あなたは知らない/それでいいの/いいの」

※子供心に、「それでいい」んだったら、わざわざ歌わなくてもいいだろうに、と感じたものだが、それで心に残っていたのかもしれぬ。男にふられた帰り道、ということか。ちなみにこのグループの2曲目は「遊びつかれた帰り道」という1曲目のパクリ(というか2匹目のドジョウ)みたいな曲だったそうだが、ふられてヤケになって、遊び回るようになったという後日談ととらえれば、大河ドラマの始まりだったのかもしれない。

きょうの怪電波:
その1・で、調べてみたら作詞は藤本義一だった。そう、田宮二郎「犬シリーズ」の脚本を書いた藤本義一である。

その2・綱吉の話を書いた次の日、『大奥』で綱吉を見た。

その3・鯨の話を書いた次の日、朝刊の一面下の広告に「クジラ論争」という本の広告が載っていた。

その4・津和野の話を書いたら、本屋でついきのうのこと 続 昔の子どもたち という安野光雄の絵本を発見。アンノン族が徘徊する前の津和野の暮らしを知りたくて購入。くすっと笑わせて、いい本だ。小学校のときの受け持ちの先生、橋本先生の朱筆によるコメントとハンコがスパイスになっている。あとがきの思い出話に司馬遼太郎と東大阪が登場し、こんなところで近所の話を読むとは、とまた怪電波。

きょうの怪電波 その4・最終兵器オバハンの話を書いたら、今日本屋で養老孟司とテリー伊藤の対談オバサンとサムライを発見、読了。オバサンに至るまでの話の方が長いのだが、結局ニッポンが元気になるために、いかに生きるべきかを追求すると、武士道ではなく「オバサン道」がよかろうということになった。ここでイメージされるオバサンは、扇千景・元国土交通大臣である。対談のかなり初めの方で、ニッポンの男に元気がない、どうやって元気を取り戻したらいいか?というテリーさんの問いに対して、養老さんは「男が得意なことって観念的なこととか、あるいは戦争みたいにわけもわからず殴り合うようなこと」だが、今の世の中ではそれができなくて元気がない、しかし「女の人の場合、やること・・・家事とか育児とかいうのは、すごく具体的」だからいい、と述べている。後半で「僕の先輩が言った言葉」として「男は現象、女は実体」とも言っている。目指す対象が決まったところで、扇千景元大臣にテリーさんがインタビューに行き、「オバサン道」を10箇条にまとめている。

「扇千景に学ぶ最強のオバサン道 10カ条」
1,好奇心旺盛でいること
2,人間が好き
3,たとえ失敗があっても、自分が生きてきた道に自信を持つ。
4,背伸びをしない。できないことは「できない」と言う。
5,気分の切り替えを早く。家に帰ったら、外のイヤなことは全部忘れる。
6,100点を目指さず60点でいい。妻60点、母親60点、仕事60点でも、3つ足せば180点になる。
7,見栄を張らない。
8,余計なヤキモチはやかない。自分のキャパシティでハッピーになればいい。
9,死ぬことは少しも怖くない。やりたいこと一生懸命にやっていれば、いつ死んでもいいと思える。
10、自分で雑役をこなす。そうすれば人生、潰しがきく。


※テリーさん曰く、上記10カ条をも、全部クリアしようとしないで、6個くらいに抑えるのがよい。完璧を目指した時点でオバサン道からはずれてしまうからだ。私の感想としては、60点という自己評価が問題で、宝塚スターとして、政治家として努力せざるを得なかった扇元大臣が60点というのと、その辺のオバハンが60点というのとは基準が違うような気がする。60点でいい、と思った瞬間にオバハンは30点止まりになる。その上、30点三つで90点だからええやん、みたいな都合のいい解釈で満足しかねない。これは観念でがちがちになって、世間のしばりからも逃れられず、努力して苦しんでいる人には適用されるが、生まれつきのオバハンか、加齢と共にオバハンに既になってしまった人に適用すると、それこそ最強の、最終兵器オバハンになるだろう。ただし7,8はよい。人のうわさ話やねたみ話に時間を使わなくなるし、変な消費行動も減るかもしれない。10も適用してもいい。口だけ出して、手を動かさないオバハンというのが防げるかも。

きょうの読書(途中):国語教科書の思想 ちくま新書

※この中に、上記「オバハン」の話にかするようなくだりがあった。以下引用。

●東浩紀は・・・「人間が人間的であるためには、与えられた環境を否定する行動がなければならない」が、そういう「自然との闘争」を持たない、ポストモダンの「オタク化」した現代人の大衆消費社会を「動物的」と評した。「動物」は「与えられた環境」をそのまま受け入れ、「批評」しないということだ。

※与えられた環境を否定するのはオバハンの得意技でもある(なんで私ばっかり、とか、もっといい思いをしてもいいはずだ、とか。)ということは、オバハンは「人間的な人間」なのか?しかし大衆消費社会に順応しているのもオバハンである。ツアー旅行に行って土産物を競って買うとか。そのくせ、人からもらった土産物にはケチをつけたりする。とすれば、ある時は人間、ある時は動物、という二面性を持った存在なのかもしれぬ。いや、環境を否定はするが批評にまでは至っていないのか。文句はつけるが批評ではないのかもしれぬ。たとえば、博覧会などで長蛇の列ができる。そこに並ばなければならない環境に対して不満は持つが、いかにして順番を優位にしようか(つまりズルしてでも前に行く方法)は考えて行動するが、「なぜこんな列に辛抱して並ばされてまで、ありがたがって見なければならないのか」ということは考えないようだ。考えたら、「だから行かない」という選択肢もあるのだが、用意されているイベントには、とりあえず行く気になるようだ。つまり動物なのか。「オバサン道」でいわれている、見習うべき点とは、観念であるところの男は、実体であるところの女の、与えられた環境を否定せず、その中で雑役をこなす実働を取り入れろということなのか。

※「クジラ」の話にも関係するくだりがあった。繰り返しになるが、スピノザは、「動物は本性上われわれと一致していないし、彼らの感情は、人間の感情とは本来異なっている」から「・・・自分たちの利益をはかって、動物を自分の思うままに利用したり、またそれをわれわれにできるだけ好都合なようにとりあつかうことは許されないということである。」と述べている。ただしその前段で、「人間は動物が人間に対して持っている権利よりもはるかに大きな権利を動物にたいして持っている」と、人間優位を宣言し、人間がその利益のために動物を利用することを否定していない。人間が人間に対してするように動物にたいするのは、本性上間違っているということであろう。可愛いから犬に服を着せるとか。

※小学校3年生の国語教科書には「アニマル・セラピー」の話が掲載されていて、その中で「人間が動物の力をかりて、けんこうをたもつ研究は、今始まったばかりです」と書かれたあとに、「人間が、自分の勝手な都合だけで動物をあつかってはなりません。動物たちが、人間といっしょに、幸せにくらしていけるように、考えていきたいですね」と締めくくられている。「アニマル・セラピー」自体が動物を利用しているのに、なにを体裁のいいことをいっているのか、と本書で指摘している。スピノザのように、人間の優位を認め、利用するのではなく、「共生」を目指すようなことが書いてあるが、セラピーに利用されている動物がどう感じているかはわからないし、にもかかわらず動物が「幸せにくらしていけるように」するのは不可能だろう。人間だったらこう思うんじゃないかな、という観点で動物の幸せを考えてあげても、見当はずれなんじゃないか。

※著者は、小学校の国語教科書には「自然に帰ろう」という大きな柱があると指摘し、上記の文章はその例の一つだという。「人間のエゴを共生という衣でくるんだ教材」ともいっている。その目指すところは、人間を動物化させること、つまり批評しない人間を作り出すことだというのだ。この教育が行き届くと、自分のエゴを何かの衣でくるんで主張する、最終兵器オバハンを作り出せることになるのかもしれない。

※考えがまだまとまらず、いい加減な話になってしまいました・・・・。思索の道は遠かった。

※きょうの替え歌:「てんとう虫のサンバ」を結婚式で歌う人が大嫌いと書いたら、コメントを頂き、よいアイデアをもらいました。歌詞は「てんとう虫のサンバ」で、メロディを「水戸黄門」の「ああ人生に涙あり」か、「巨人の星」の「行け行け飛雄馬」で歌うというもの。今日、いっしょうけんめい練習しましたが、どうしても曲の方が先に終わってしまうので、2コーラスで歌詞は1コーラス分という感じです。「あーなたーとわーたーしぃがーゆぅめぇのぉくぅにぃ(ジャンジャジャジャジャンジャジャジャジャンジャジャジャジャン)」という具合です。こういう、一ひねりをしていただけるのなら、どんどん歌っていただきたいものです。
タグ: 昭和歌謡
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