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傭兵

【12月6日】  http://sanpokimono.sakura.ne.jp/2009_12_06p.html

買い出し?@天六~南森町

きょうの着物:茶に青赤黄白黒の縞お召。
きょうの帯:黒地にいぶした赤系の紋織り名古屋帯。
きょうの羽織:黄に黒で破れ亀甲、梅紋の中に花の染め、紋綸子。なぜか購入記録が残っていないが
        1000円未満で買って、丸洗いしておいたもの。
きょうの長襦袢:青地に漆糸縫い取り錦紗。
きょうの帯揚げ:瑠璃色無地縮緬。
きょうの帯締め:瑠璃色単色丸組。
きょうの足袋:白地に芥子色で麻の葉紋。
きょうの下駄:桐白木に笹竹彫り右近台にインクブルーに白で麻の葉紋鼻緒。

※前回履き物屋さんに行ったときに、新作台があり、それがなんだかおいしそうに感じられ、気になっていた。一応値段だけ聞いておいてじっくり検討し、迎春用として購入を決め、本日決行。さてどの鼻緒にしようかとあれこれ迷うが、最初に「なんだか遠目には切りビロードのように見える」のがあり、まずそれを乗せてみる。悪くない。しかしまだ、もっといいのがあるかもしれないと店中徘徊して次々に乗せてみる。ところがやっぱり、最初のがもっともいい。もう一回乗せてみる。すると、赤い鼻緒がクランベリーソースのように見えて、とてもおいしそうになった。決定。お支払いをしたら、商店街の年末催事でその場でキャッシュバックスピードくじを二枚もらえた。私はこういうのはまったく当たらなくて、いつも最低賞なのだ。じゃ、100円かな、といいつつ開いてみると・・・。なんと1000円!!!!ここ数年来、いや数十年来こういうことはなかったので大喜び。2枚目も開いてみる。・・・えええええええーっ、また1000円だ!

※商店街から各店に、くじを配布するときに偏りがあって、1000円の当たりが固まっていたんじゃないだろうか、という話になる。でなければ、私に連続して当たるはずがない。ということは、次のお客さんも1000円のはずだ、と見守っていたら、あれれ、100円でした。不思議なことに2枚、たまたま連続していたらしい。おかげでお買い上げ金額は2000円引きとなり、とっても助かった。その後、いつものように喫茶店でミックスジュースをごちそうしてもらってご主人とおしゃべり。体調もずいぶんよくなって、前向きな話が増えてきてうれしい。

※商店街をぶらぶら南下する。空き店舗に期間限定で漆器を売っているお店があって、そういえばそろそろ汁椀も交換時期かな、と思い見せてもらう。400円とか800円で、投げ売り状態。聞けばこのあたりは一般のお店の価格帯が安くて、いつもの値段では売れないので下げたそうだ。一つ一つ刳り抜いて作ってあることを示すために、縦に半分に割って断面を見せている。さらに、漆だから大丈夫、と炎を近づける。燃えない、煤もつかない。樹脂が塗ってあれば真っ白になるのだそうだ。

※デモンストレーション付きに感動して(御しやすい客)、普段の汁椀、大きめの豚汁とか粕汁用の汁椀を買う。ついでに、といっちゃ何だが、鎌倉彫のお盆も買う。アメリカ人の友人へクリスマスプレゼントにするのだ。さて、ここで私の荷物は「下駄の箱」「お盆の箱」「お椀4つ」となり、さらに履物屋さんに預けてあった図録も加わり、たいへんな大きさとなる。四角いものだけであれば何とかなったのだが、お椀が加わったおかげで立体的になり、まとまりがつかない。それを下げてヨタヨタと古着屋の競り市を冷やかしに行く。もう終わり近くだったので、危険はないだろうと踏んだのだ。

※実際、食指の動いたのは1点だけで、それも希望者が重複したため、じゃんけんで負けて、手ぶらで脱出できた。ここの店長さんは体の調子が悪く、11月に退職されたとかで、競り市は経験の浅そうな新人さんに交代。説明の内容に突っ込みどころがあったが、一番ビックリしたのは「着ないからわかりませんけど」というコメント。売る人がそれを言ってはいけないのでは。まあ、だんだん慣れて、洗練されてくるのだろう。

※大荷物と競り市で疲労し、喫茶ビクターに行こう!と思い立ちさらに南下。途中で「カフェテラス モーデン」に気づき、そういえばいつも前を通るだけで素通りしているから、今日はここにしよう、と入店。唯一の客であった。どうしようかと思ったが、その後ばらばらとお客さんが増えたのでほっとした。ここのお手洗いの壁が、懐かしいものギャラリーになっていて、ゴジラやオードリー・ヘップバーンや陽のあたる場所http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD7540/index.html
や、脈絡があるようなないようなポストカードギャラリーになっていて、それに見とれて段差を踏み外す。私の好きなものも多くて、うれしかったが危険だ。

※ホットドッグセットを運んできてくれたお兄さんに、お手洗いの壁、好きなものばかりで見とれて、踏み外しました、というと、勢いで便器にはまらなくてよかった、と笑う。古いものが好きやから、とのことだったが、私にとってはどれもまだ現行品なんだけど。さて、そのホットドッグというのが、炒り卵をはさんだもので、これは違うんじゃないかとも思ったが、ちょうど出かける前に「秘密のケンミンSHOW」の再放送で「福岡のホットドッグにはソーセージは入っていない」というのをやっていた。

※久留米周辺では、キムラヤ  http://www.kimuraya-group.co.jp
のホットドッグというのが基本になっていて、まずパンは横にスライス。辛子マヨネーズを塗った上にプレスハム、その上から辛子マヨネーズ和えのキャベツ、というもの。このホットドッグを考案したキムラヤ初代が、名前だけ聞いて本体を見たことがない時点で、想像力でこしらえたものだそうだ。。「ホット→暑い」「ドッグ→犬」・・・「犬が暑がっている!」→「ハアハア、舌が出ている状態だ!」と考え、パンの間から犬の舌がちょろっと出ている状態にしたらしい。それゆえ、プレスハムは、縁が赤い、昔ながらの着色料使用のものでなければならない。これをホットドッグと呼ぶのだから、モーデンのホットドッグもまあ許容範囲であろう。

※しかしまあ、モーデンのサラダのキャベツは切り方が雑で、私が切ったのかと思ったくらいだ。千切りキャベツにしようという意志がないのか、意志があったが下手だったのかは不明だが、とにかくフォークからぼろぼろ落ちて食べにくい。純喫茶というのは、世の中から取り残されて行かざるを得ないものだから、その中で残ろうと思ったら、基本に忠実、技術に自信、というようなものがないとダメになっちゃう気がする。トマトは堅すぎて食べられなかったし・・・。ああ残念。

※休憩を取って、さらに南下。天牛書店で古本に引っかかる。どれでも50円、100円コーナーでじっくり探し、ついつい中に入ってしまう。勝手に触れない高い本コーナーに四谷シモンのと金子國義のがあって、じーっと見つめていると、店員さんが往来して落ち着かず、あきらめて奥へ行く。時事通信社発行「週刊時事」1970年12月26日号は、表紙に檄を飛ばす三島由紀夫の姿が。袋に入っていて中身を確認できなかったが、思わず買ってしまった。

※帰宅後、中を開いてみると、特集「国士・三島由紀夫」には檄文が全文掲載されており、ところどころ赤線が引いてある。そこだけを抜き書きしてみると「命を捨てよう」「国体を守るのは軍隊」「日本の軍隊の建軍の本義とは、天皇を中心とする日本の歴史・文化・伝統を守ることにしか存在しないのである」「義のために共に死ぬ」・・・これらは傍線。波線が引いてあったのは「あと二年の内に自主性を回復せねば、左派のいふ如く、自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終るであらう。」

※おそらく思想が右寄りの人が線を引いたのだと思うけれど、最後の引用部分に関しては、予言は当たっていたかも、という気もしないではない。どんなやり方があったのか、今では、いや私ごときには申し上げられないが、「自主性の回復」というものをやっておくべきだったのだろうなあ。

※あと二冊買って1000円ポッキリ、しかし荷物はポッコリ。大荷物でヨタヨタしながら南森町まで歩いて堺筋線で帰る。

※さて今日の着物。羽織が本日デビューであった。というより、あまりにも強烈な色で気後れしてお蔵入りしていて、なかなか日の目を見なかった。今日は思い切って、羽織以外を地味~に抑え、なんとか着用に至った。しかし思わず目を引くこの色、電車の中で向かいに座ったご婦人たちの「変なスイッチ」をいとも簡単に作動させ、始まる始まる「私の着物談義」。でもやっぱり中身は着付け教室ばなしと冠婚葬祭ばなし。これまで何度もスイッチを作動させてきたが、一度も「解いてみてビックリ」とか「ベンジンで色落ち」とかお手入れ系の話を聞いたことがないし、芯が重くて悲惨な帯、だとか、着用に伴う悲喜こもごも、みたいな話は一切出てこない。浅い。着物文化、なんて業界が謳ったところで、実際には浅いものしかない。だから、着物文化を残すべき!なんて鼻息荒く語っても、実際には「着物文化そのものが、そもそも存在しないのではないか」とすら思う。文化って、制作者や商売人の間にだけ存在するものではなくて、フツーにその辺歩いている人にも浸透しているものだとするならば、だが。

※着物に対する自主性の回復、これが今後の課題となるんじゃないだろうか。私が着る、私が手入れする、私が保管する、私が支払う、そういうものだと改めて認識することによって、誰かの押しつけの知識を鵜呑みにしたり、商品を唯々諾々と購入したり着たりはしなくなるだろう。スイッチの入るご婦人たちは、おそらく着付け学校と業界の傭兵、といってもいいのではないだろうか。お直しおばさんもその内にあって、今書きながら納得したが、地下組織でもあるのじゃないかと思うぐらい、各地ですかさず発生するのは、綿密な傭兵教育を施されていた人々が相当数、潜在的に存在するからなんだな。自覚のない傭兵は、今この瞬間にも暗躍している。
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