SSブログ

「お預け」の効能

【4月12日】悉皆屋さん@近所
1,きょうの計画変更:長着を羽織に
2,きょうのつぎはぎ:巻く方向が違うので前柄が出ない刺繍帯
3,きょうの大至急:演歌歌手半歩手前の波ザッパーンお召し

※1,昨日電話で袖丈が足りないことがわかった長着は、羽織にすることにした。家捜しして1000円で買ってあった羽裏を発見。オッケー。

※2ー1,昨年に落札してあった麻の帯の反物、刺繍帯で、(1)前柄が出ない方向なのと、(2)古いものなので長さもちょっと不足していて(芯になっていた新聞紙は昭和26年)、どうしようか悩んだまま放置していた。気温が上がってくるとなんとかしなければならない気になって、悉皆屋さんに持ち込む。

※2-2,まず前柄中央から三角山部分(a)までの長さ(b)を測り、前柄中央から手先方面へ(b)プラス10cmくらい(c)を測る。(a)から(c)までを切り取り、上下をひっくり返す。(a)のあったところに(c)を縫いつける。これによって(1)前柄の方向の問題はクリアできるが、縫い代分がさらに短くなるので、(2)の問題が残る。そこでよく似た布を15cm~20cm(不足分次第)くらい、(a)と手先の間に足して縫い合わせる。これによって、前柄の位置の変更と長さ不足解消である。

※ここまでの作業は、悉皆屋さんに指示しながらその場で切ったり縫ったりしてもらう。さらに、この帯地のような麻生地が家にない、と泣きつき、棚の中から探してもらう。シミが付いた麻生地反物が発見され、それを切ってもらい、シミがある方を内側に入るように縫い合わせてもらった。あとは900円以下で買っておいた帯芯を添えて、帯屋さんに出してもらう。オッケー。

※3,先日洗い張りしてもらった物件で、お稽古として、自分で単衣ものに仕立てようかと思っていた。が、現在進行中の羽織が思いの外(いや、思い通りというか)時間がかかりそうなので、季節的に間に合わないことがはっきりしてきた。昨年入手した「貝殻の帯」に、どうしても「波ザッパーン」着物を合わせたいという計画があるので、急に焦って仕立てを依頼することにした。

※1,の羽織は何ヶ月も先に出来ていればいいので、3,の単衣を大至急でお願いすることにした。1,の生地は3月にお願いしていたのに、昨日になって生地が足りない、という話になったところからして、長い間放置されていたようだ。仕立屋さんがようやく昨日来たんだ、という説明だった。ということは、自分が依頼した日にちプラス1ヶ月目くらいが作業開始時期とみてよさそうだ。着たい時期の3ヶ月前には依頼しておかなければならないのも当然のスローワークである。2の麻帯も、7月に着用したいとすれば、依頼するのは今月中でないと間に合わない。アパレル業界の新作発表よりはましかもしれないが、先のことを考えて動かなくてはならない面もある。常に3ヶ月先のことを考えながら、さらに今着るものも考えつつ、その後始末やら手入れやらもしながら着物暦は回っていく。

※しかし、今着られるものは3ヶ月以上前に用意したもので、その「お預け」の時期があったからこそ、着用季節の到来が嬉しいのだし、しつけ糸を切るときの喜びもあるのだ。
※なんでも「待たずに手に入る」時代には、なかなか味わえない醍醐味かもしれない。
タグ:お手入れ
すべて来シーズンの話計画経済 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。