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偉そうじゃない偉い人~ルパン三世から今東光

【7月25日】和裁教室@上本町
きょうの課題:雨コートの丈つめ・・・のはずが。
きょうの課題変更:薄物お召しの袖丈つめ。

※暑さのせいもあって、縫い物、と考えただけでも呼吸困難になりそうな拒絶反応が出て、和裁教室をさぼってしまいそうになる。これはイカン。そこで、「いつか要るかもしれない雨コート」よりも「直せば明日にでも着られる薄物」に取りかかった方が、モチベーションが維持できると思い直し、出かける直前に薄物お召しを鞄につっこむ。

※1尺5寸の袖丈を2寸詰めないと、長襦袢がない。まず袖底と振りを解き、コテで伸ばす。黙々と作業に没頭し、あとは袖丸を付ければできあがり、までこぎ着けた。

きょうのいただき物:麻の染め着物。

※先生から、いただき物だけど孫娘にも似合わないので、あなた着てくれる?とおっしゃってくださる。縞に破れ麻の葉で、大好き系柄で大喜びだ。しかし、これまた袖丈が長い。半襦袢で着てしまおうかどうか、思案中。

きょうの訃報:杉浦日向子先生が46才の若さで。

※「お江戸でござる」でのお話を毎週楽しみにしていた。知識の蓄積を鼻にかけることなく、柔らかい語り口調、江戸時代に生まれたかったのだろうなあと、感じながら見ていた。本当に好きでたまらない感じが伝わってきて、根っから、真剣に、努力して、好きで、積み上げてきたもの、そういう深さがあって、しかも悲壮感が無く、それどころか「できれば昼間っから酒でも飲んで湯につかって、都々逸でも」といった、いい感じの不良性があって、ふわっとした外見とミスマッチでいい感じだった。我が家では、杉浦日向子「先生」と呼んで尊敬していた。

※私は江戸文化には無知だけれど、自分の住んでいるところの文化や昔の人の暮らし方について、もっと知りたいと思ったのは、杉浦日向子さんのおかげかもしれない。しかも、偉そうじゃなく、自分が好きだから、知りたいから、他の人にも知ってもらいたい、そういう感じでいられる、余裕のようなもの、それが身についたらかっこいいよなあと思ったものだった。

※杉浦日向子先生は、「偉そうじゃない偉い人」だったと思う。合掌。

※思い出して追記

※土曜日の朝、突然閃いたことがあった。前日に「ルパン三世」の新作をテレビで見たばかりで、「早撃ち名人の大介」といえば、次元大介だけじゃなく鴨井大介がいるよなあ、と突然思ったのである。昨年11月24日に書いたのだが、田宮二郎の「犬シリーズ」の主人公で、見事な早撃ち名人である。

※鴨井大介の特長としては、早撃ち以外に「めっぽう女に弱い」「人殺しをしない」「おしゃれである」がある。あれ、これってルパン三世じゃないのか?

※これは私の勝手な憶測仮説であるが、ルパン三世の誕生の陰には、「犬シリーズ」があったのじゃないだろうか。連載開始が1967年、「犬シリーズ」第一弾「宿無し犬」は1964年だ。で、この鴨井大介というキャラクターは、「悪名」シリーズの清次の軽妙さ・ハイカラさを継承している。つまり、さらに遡ると、今東光にたどり着く。

※で、今のところの憶測仮説は、ルパン三世のルーツは今東光、というむちゃくちゃなものだが、そんなことを思いながら江戸っ子長さんの舶来屋一代記 集英社新書を読んでいたら、今東光が登場したのでビックリ。この本は世界の一流品を日本に広めた「サン・モトヤマ」の現会長・茂登山長市郎さんの語りおろしのような本だ。海外から商品を仕入れるために当時持ち出し可能なドルだけでは足りず、闇ドルを持っていったことが密告され、留置場に放り込まれたとき、身元保証人として保釈をかけ合ってくれたのが今東光だったという。

昨年12月2日に猪瀬直樹の「マガジン青春譜―川端康成と大宅壮一」のことを少し書いたのだが、この中にも今東光が登場していた。さらに今日は道路公団の副総裁逮捕のニュースがらみで猪瀬直樹も見かけたし、なんか、電波系の人の言うことっぽくなってきて、我ながらマズイかな?と思うのだが、いろんなところでいろんな人や物がつながって、不思議で、面白くて、少しコワイ。この連鎖状況は何なんだろう。

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