SSブログ

印象

【11月20日】 嵐電~美術館@京都

写真倉庫→http://sanpokimono.sakura.ne.jp/2009_11_20p.html

きょうの着物:青紫紋綸子地地紋起こしで笹の染め小紋。
きょうの帯:芥子色塩瀬地記念切手名古屋帯。
きょうの羽織:小豆色に白で描き疋田笹紋一越縮緬。
        古着屋で1050円、丸洗い2625円、袖丈つめ3500円、
        裄出し4500円、合計17000円くらいでようやく登板。
きょうの半襟:ココアブラウン絞り。
きょうの長襦袢:錦紗牡百花繚乱染め。
きょうの帯揚げ:甘い水色綸子。
きょうの帯締め:ダークローズ丸組。
きょうの足袋:自作塗り塗り足袋。
きょうの下駄:焼桐後丸台に赤系クリムト鼻緒。

※こんな展覧会やってるらしいよと夫がおしえてくれて、初めて知った「堂本印象美術館」(http://www2.ocn.ne.jp/~domoto/index-j.htm)。最初、堂本さんが印象派の絵を集めたところかと思ったくらい、何にも知らなかった。「堂本印象」という人がいたということすら知らなかった。この画家さんの私設美術館を京都府が引き取って、その後管理を立命館大学がしているということだ。

※場所を調べて愕然とする。お世辞にも近いとも便利ともいえない。しかーし!嵐電に乗っていけば、電車も楽しめて一石二鳥、さらに嵐電付近に行ってみたい場所もあったので、出不精の二人としてはわりとスムーズに企画がまとまる。しかし当日になって、夫はPCの不具合でサポートセンターに電話、私はずぼらがたたって冬用肌着の行方を捜して時間がかかり、家を出るのが遅くなる。遅くなったくせに、京都の町中でゆっくりお昼ご飯をとったり、近辺を散策なんかしていたものだから、ますます時間が押して、美術館到着は閉館時間の30分前という有様。

※昭和41年に建てられた外観は、すごく斬新で、昭和45年の大阪万博を経験した目にはなじみやすいものだったが、竣工直後は近隣の人に「なんじゃありゃ?」という風に思われたんじゃないだろうか。しかし夫曰く、30年くらい前には、周囲にはなんにもなかったから、文句を言う人も少なかったんじゃないか、とのこと。図録を確かめてみると「顰蹙を買った」と書かれていた。なるほど、やはり。

※外装のみならず内装の隅々にまで印象のデザインが生かされていて、館内案内表示の矢印看板すら、おしゃれにデザインされている。とても楽しい美術館。印象の作品は時代ごとにバリエーションが増えて、構成というのか、抽象画も多いのだが、それすらも「あ、これは好きだ」と感じられる。抽象画って、下手すると独りよがりでわけわかんない、不快感すら催すことがあるのだが、好きなタイプだったようだ。

※今回の企画展示は、着物・染織関連の書物や展覧会でよく取り上げられるものも多かったが、着物がよくわかるものも多く、洋装にしてもしゃれたものが多く、楽しめた。ただ、私にとってはこの美術館の存在自体が衝撃的で、展示の方がかすんでしまった「印象」。

※帰りもてくてく歩いて嵐電の駅まで行くのだが、途中の住宅街に「この家好き」というのを発見。いろいろな町でそういう家に巡り会うのだが、共通しているのは「シュロの木」「寂しげな玄関」だろうか。この家に住んで、子供の頃から近くに堂本印象美術館があったら、いったいどういう人に育っていただろうか、などと想像してしまった。子供の頃に美しい、おもしろい、楽しい建物や絵画を見て育ったら、もっと豊かな人間になっていたのだろうか、と。

※日はすっかり落ちて、真っ暗になった中を帷子ノ辻のお目当ての家まで行く。土曜ワイド劇場「京都殺人案内」の音川音次郎、音やんの家だ。踏切のそばなので、見つけやすく、夫と交代で記念撮影する。ああ、うれしい。これで長年の懸案が一つ解消された。

※ほっとして駅前に戻り、大映通り商店街を散策。そこで「珈琲スマート」を発見、三条寺町の店の前を昼間に通っていたが時間切れで入れなかった。ちゃんと兄弟店がここで待っていてくれたんだ、と運命を感じ入店。天井の高い、明るい店で、とても気分がいい。フレンチトーストも正統派でおいしい。

※ここも閉店時間が迫って、急いで退店した。今日はとにかく時間ぎりぎり、滑り込みセーフというのばかりだった。

※連休直前で人出も少なく、メインの観光地でもないので、混雑に巻き込まれずとても楽で楽しかった。着物パスポートがあれば、美術館は入館無料。建物をみるだけでも価値あり、おすすめです。

※本日、今シーズン初の羽織着用となった。先日お手入れから返ってきた「笹やん」セットにしたのだが、羽織を羽織ってから、その表面を触って、え、まさかポリじゃないだろうね?という疑惑が起こるくらい、しぼがない。一日着てみて、軽さや暖かさから、確かに絹だと実感できた。周囲はダウンジャケットを着ているが、私は出てきたまんまの格好で暑さも寒さも感じずにすんだ。ポリではこうはいかない。笹やんセットは音やんの家にまで行ったことで、先々、忘れられないセットになりそうだ。
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。